田原総一朗の政財界「ここだけの話」 それでも小沢氏3選決定? 揺れる民主党 その内部事情
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次なる政権を担うことを期待されている民主党だが、9月8日告示の民主党代表選は小沢一郎代表の無投票3選が確実な情勢になった。
この代表選には、対抗馬を出す動きもあった。
対抗馬として候補に挙げられていたのが、岡田克也さん、野田佳彦さん、仙石由人さん、枝野幸男さんだ。
この4人のいずれかが、対抗馬として手を挙げるだろうと思われていた。
(各々の不出馬の理由などは…長いので中略)
民主党の代表選が疎まれる4つの理由
ではなぜ、松本剛明さんをはじめとする野田派の民主党議員たちは、野田さんの代表選出馬を強く止めたのか。
これにはだいたい4つの理由がある。
1つは、総選挙が近いからだ。
民主党は、総選挙は10月か11月に行われると思っている。民主党代表選の9月は、これに非常に近いわけだ。
今、もう民主党の議員たちは自分の出馬する地元に張り付いている。もしここで代表選をするとなると、一度地元を離れて
代表選の運動をしなければならない。これは総選挙に差し支える。
世の中的には、今度の総選挙は「政権交代」がテーマであり、民主党が有利だと思われている。
しかし、民主党の議員達は本音ではそれほど有利だとは思っていない。
民主党一党で、過半数を取り、全政党の1位になることは難しいだろう。だから、とにかく、比較第一党(単独では過半数に届かないが、
議会内で最大議席を取る党のこと)を目指し、野党と連合する、もしかしたら、公明党とも連合するかもしれない。
そういう形で政権交代を目指している。
今度の総選挙は、相当激しい選挙戦になることが予想されるのだ。
ここがマスコミの予想と違っているところだ。マスコミは民主党有利と言っている。しかし、民主党の人達は、
「そんなに楽勝の選挙ではない。非常に激しいものになるだろう」と考えている。
だから、代表選に時間を取られると総選挙で不利になる。
これが、松本剛明さんたちが、野田さんに代表選出馬を思い止まらせた一番大きな理由だといえる。
2つ目は、代表選に金がかかる、ということがある。
今、民主党は総選挙に金をつぎ込んでいる。民主党は金がない政党なのに、
そこでさらに総裁選に金を使うのは非常に苦しいという事情もある。
3つ目は、代表選で小沢さんとの違いを明確にして、それがマスコミであれこれ言われると、
民主党にとって総選挙で不利になると考えたからだ。
最後4つ目は、小沢さんに対する恐怖心だ。
実際に対抗馬として出る本人は覚悟が決まっているだろうが、周りの推薦人になったり、応援したりする人が、
「小沢さんに何をされるかわからない」と怖がった。
かつて、自民党の田中派は、同じ自民党内で田中派に反発する人が立候補しようとすると、同じ選挙区で対抗馬を出して、
両方落とすということをやった。
実は小沢さんというのは、最も自民党らしい人物なのだ。田中角栄さんの愛弟子で田中流の政治を貫いている。
さらにいえば、民主党の幹部は皆、「自民党・旧田中派」の人物なのだ。小沢一郎さん、岡田克也さん、鳩山由紀夫さん、渡部恒三さん、
羽田孜さん、石井一さん、皆、自民党・旧田中派なのである。
面白おかしく言うならば、「自民党・旧田中派がみんな民主党にいっちゃった」というわけだ。それで、自民党から田中派がいなくなり、
福田派が政権を取って、森喜朗さん、小泉純一郎さん、安倍晋三さん、福田康夫さんと、4期続いている。
だから、実は、自民党と民主党の戦争というよりは、福田派と田中派の戦争といえるのだ。
とにかく、小沢さんは田中さんの愛弟子であり、田中派は自民党の中でも何をするかわからないと怖がられていた。
その小沢さんに対する恐怖心が、民主党の中にある。
マスコミは民主党に政権を取らせたい?!
そのようなことが様々あり、野田さんは代表選出馬を断念せざるをえなかった。
野田さんが断念すれば、枝野さんという声もあった。
しかし、枝野さんは、野田さんが断念の決意までに時間をかけてしまったため、出馬に対するパッションを失ってしまった。
さらに、野田さんが断念したことで、これから推薦人20人を揃えるのも、枝野さんにとって相当困難な状況になった。
現段階で、99パーセント枝野さんの出馬はない、といわれている。
というわけで、小沢さんの再選が確実視されている。
ここで1つ面白いことがある。
野田さんは「出る出る」と言って、出なかった。これは民主党の脆さの一端の表れと言える。
「結局民主党はだめなんだ。4人の対抗馬が挙げられていながら、誰も出ない。
民主党というのは、小沢恐怖の中で身動きがとれなくなっている。力がない」
このような批判が当然出てもおかしくないのに、このような批判は新聞では全く出なかった。
つまり、このことで何がわかるかというと、新聞はとにかくここで一度民主党に政権を取らせたいのだ。
だから、このようなことであまり民主党の批判をしない。
読売新聞や日経新聞は社説でもこのことを書かなかった。
「民主党にこんな傷が生じた、亀裂が生じた」ということは書きたくないのだ。
要するに、新聞、マスコミは、今度の総選挙で民主党に勝たせたい。
国民も含めて、民主党が優れた政党だとは誰も思っていないのだが、とにかくここは一回政権を変えてみよう、という気持ちが強い。
自民党には飽き飽きしているし、何も良いことが出てくる気配もない。景気も悪い。
ここで一度政権を変えれば、民主党も大した政策はないけれども、少なくとも自民党と官僚の癒着は切れる。
今、官僚の問題点が噴出している。新聞もその問題をたくさん書いている。
これは自民党と官僚の癒着の問題提起であり、それを切りたいという思いが強いからだ。
だからやはり、民主党に一度政権を取らせたいという空気がマスコミには強い。国民の間にもそのような空気が強いだろうと思われる。
自民党はものすごい危機感をもっていて、夏休みに地元へ帰った自民党の議員達は、ほとんど蒼白だ。話をしても聞いてくれない。
ちょっと本音の部分になると「悪いけど今回はちょっと言えないよ」という声があまりにも聞こえてくる。
そこで、自民党にとっての心配は、もし今度民主党が政権を取ると、以前の細川連立政権のこともあり、
自民党からぞろぞろ抜けて政権政党へいってしまうのではないか、ということだ。
細川政権の時よりもたくさんの人が移ってしまのではないか、と心配している。
民主党には大した政策がないので、それほど長い政権にはならないかもしれないが、自民党からぞろぞろと抜けて
民主党に行ってしまう可能性がある。
そうなると、自民党が政権を取り戻せる可能性が遠のいてしまう。
このような危機感が、自民党にはある。
しかし、この危機感に対して、「ではどうすればよいのか」という対策が、自民党にはない。
これが今の自民党にとって大問題なのである。
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